アコムを振り返って思うこと

つまり、「データ型情報」の結集であるハイテク過信で負けたのである。
アメリカの経営者や管理職も、コンピュータを過剰過信にしている。 だから経営者も管理職も部屋の中に閉じ込もってパソコンで指令している。
しかし、これでは部下は「頭は納得」するが、「心と体が納得」するはずはない。 従業員は、頭が納得するだけでは働かない。
共感するところがどこかになければならない。 コンピュータが発達すればするほど、経営者は逆にヘリコプターに乗ってでも工場の現場へ行き、労働者に「やあご苦労さん」と一声かけるべきである。

つまり、ハイテク化された企業では社員をいかに働かすかという、「ハイタッチ」が必要になる。 いかにすれば、社員の「心と体」を喜ばせられるのか。
いまや商品も同じだ。 「頭が納得」して買う工業社会の産物はもう満ちあふれている。
ヒットするのは、これがあれば楽しいなと思う商品、安らぎと幸福感を与える商品、つまり「心と体が納得する商品」なのである。 情報社会に求められる遊び心情報産業社会とは、大ざっぱにいえば、すべての産業がレジャー化していく時代ということになる。
つねに体と心が納得し、満足することを要求される。 遊び心が要求される。
90年代はレジャー産業の時代だといわれるが、それはあくまでもひとつの傾向にすぎない。 薄情ないい方だが、私はいま各企業や地方自治体のやっているいわゆるレジャー産業の半分以上が遠からず倒産するだろうと見ている。
レジャー産業に一大ダメージを与えたバブルの崩壊もただの引き金に過ぎない。 それより経済の底流には、もっと大きな変化が起こりつつある。
すなわち、産業、工業、農業のレジャー化である。 経済が成熟化するとき、工業や農業に「文化」や「お遊び」の要素が入ることで、さらに伸びる。
イタリア車はアフターサービスが悪く、走らなくても売れるが、これは「お遊び」の部分に値段がついているからだ。 最近はやっているハイテク家電は、全部お遊びの要素を持っている。
留守番電話、携帯電話、ワープロ、電子手帳もそのひとつ。 留守番電話、電子手帳は若者にブームだが、そんなに忙しい若者はいない。
携帯電話も最初の頃はヤクザ屋さんが「これカッコいい」と、ホテルのロビーで使っていたではないか。 ワープロは主婦にブームだが、手紙が増えたという話は聞かない。
知能一本やりのパソコンよりもファミコンがよく売れ、子どもだけでなく大人まで含めて、全世界に広まっている。 ここで、日本人はもともと遊び好きの民族だということを思い出すべきである。


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